2008年6月4日水曜日

データベース(システム)・データマネジメント(スポーツ):第8回

ここまで理論的な話が続きましたが、今回からしばらくは、現実の関係データベース管理システム(RDBMS)寄りの話をします。まず、RDBMSとはどのようなものか全体の概要を紹介しました。ついでRDBMSを操作するときに用いられる標準言語となっているSQLについて、その概要を述べ、代表的な文であるSELECT文の最も基本的な使い方を紹介しました。

SQLはRDBMSに関するあらゆる操作をカバーしており、様々な構文が用意されています。ですが、この講義では、最も代表的な文であるSELECT文を中心にお話を進め、他の構文については簡単に触れるに留めます。また、個々のRDBMS固有の構文についても触れません。実験演習を伴わない講義であるために、話を聴いて退屈しない部分に絞るほうがよいと考えたからです。

また、前回までお話してきた関係代数とSQL(特にSELECT)は、一見関係なさそうですが、そうではありません。SELECT文によってRDBMSに問合せが送られると、RDBMS内部で、問合せと同等な関係の操作を行って結果を返します。このRDBMS内部の関係操作が、関係代数に基づいているわけです。

SQLは、皆さんがこれまで学ばれてきたプログラミング言語とは異なり、処理したい計算手順を記述することはしません。その代わり、結果として得たい表の満たすべき条件を記述します。その意味で、関係代数と並んでRDBMSの数学的基盤となっている関係論理(relational calculus)と近い部分があります。この講義では、関係論理についてもごく簡単に紹介しました。

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